好きな人はニセ彼女。




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『夏目ー、あれ今日も委員会なのかよ?』


「……だな、そうっぽい」



友達の三岳和樹が話しかけてくる。


こいつはオレの好きな人を知ってる。



………っていうか、オレが彼女を見ているのを見られてバレた。



『夏目は城田にベタぼれだしなぁ』


「ベタぼれとか言うなよ、違うし」




--言い終わって後悔する。

……我ながら苦しい嘘をついてしまった。



『嘘つけぇ。お、来た……』


「え、誰が………っ」



和樹の目線の先には、彼女がいた。



『夏目くん!ごめんね!!

今日は視聴覚室だった!』