『最後、ほら三年の時に同じだったさぁ』 __待って。 お願い、その名前を出さないで、 『奈菜はそんな話してないっけ?』 __話してないよ、一度しか。 『瀬戸遼太。いたでしょ?私らのクラスに』 __泣き止んだ、いつもの状態に戻った凛歌が首を傾げる。 胸がぎゅゅぅ__っと痛くなるのは、 久しぶりに聞いたその名前の所為。 ……瀬戸遼太。 私が好きだと言えなかった人。