「遥斗ぉぉぉ、まだ!?」 「待ってよ。俺のスマホ床に落ちてるから踏んだら壊れるし慎重に行かないと」 「怖いよぉぉ」 その間にも、ゴロゴロという轟音が辺りに響き渡る。 あぁ、怖い。今はまだ一人じゃないからいいけど、遥斗がいなかったらどうなっていたんだろう。 「杏、ここらへん?」 すぐ後ろから遥斗の声。 「そう。そこにいる」 あたしがそう答えた瞬間、後ろからふわりと抱きしめられた。