「も、もしかして……遥斗……実はあたしがヒロキを好きだったって本気で思ってる?」
「好き、だったんだろ?過去形だけど」
「そ、そんなはずないって!!あたし、ヒロキのこと大っ嫌いだったもん!!遥斗も知ってたでしょ!?」
「嫌よ嫌よも好きのうちだってリカコが言ってた」
「……ハァ!?」
リカコってば……本当に信じられない!!
ていうか、遥斗もヒロキもリカコの言葉を信じすぎ!!
「だから、リカコにしつこく付きまとわれても従うしかなかったんだって。本当はもっと早く杏に俺が恥ずかしがり屋で大人しい『はる』だってバラそうとしたけど言えなくなった」
「もっと早く言ってくれたらこんなことにはならなかったのに……」
「だって、昔の弱い俺を知って杏に嫌われたら嫌だし。俺、杏だけは失いたくない」
遥斗はあたしの体をギュッと抱きしめる。
「昔の俺には、杏を守る力はなかったけど、今はできるから。ヒロキからも他の奴からも……どんなことがあっても杏を守る」
「遥斗……」
「それに今も昔も俺は俺って言ってもらえて、すごい嬉しかった」
遥斗はニコッと天使のような笑みを浮かべた後、にやっと悪魔のように微笑んだ。



