「なぁ、杏。遥斗なんかと付き合ってて楽しいわけ?」
「何がいいたいのよ……」
「アイツって子供の頃、大人しくて弱虫でケンカもできない情けない奴だったじゃん」
クックッと喉を鳴らして笑うヒロキ君。
じゃなくて、ヒロキ。
『君』をつけて呼ぶ必要なんてもうない。
「チョコレートなんて持ち歩いててマジキモかったんだけど。あんなナヨナヨした女みたいなやつのどこがいいわけ?杏って男見る目ないねー」
「そんなこと言うなら、アンタだってケーキバイキングに男一人で来てたでしょ?」
「杏って本当にバカだね」
口の端を持ち上がるヒロキ。



