「……――すみません。相席してもいいですか?」


その時、ふいに頭のてっぺんにそんな声が降ってきた。


周りはカップルや友達と一緒で、席が空いているのはあたしの隣だけだった。



「あっ、はい。どうぞ」


椅子の上に置いてあったカバンを足元に置き、隣の人に視線を向けたあたしは驚いて目を見開いた。