視線を廊下に移すと、遥斗のファンと思われる女の子がおもむろに上履きを脱いだ。 えっ?な、な、何!? キッと鋭い目でこちらを睨みつけ、怒りに顔を赤く染める彼女。 彼女は上履きを握ると、右手を振り上げた。 「遥斗君のこと、返せ!!!」 う、嘘!!投げちゃうの……!? 彼女の投げた上履きは弧(こ)を描くようにものすごい勢いであたしの方へと飛んでくる。 ぶ、ぶつかる!! 顔を背け、防御の体制をとった時、スッと立ち上がった遥斗があたしの目の前に迫りくる上履きをパシッと掴んだ。