あのキスのせいで昨夜はほとんど眠れなかった。 ぼんやりとした頭のまま午前中の授業を終え、お昼休みに食堂へ向かう。 その間もふとした拍子にキスのことを思いだして顔から火が出りそうなくらい熱くなった。 定番の唐揚げ定食を注文して席に着くと、あたしは正面に座る涼子にポツリと漏らした。 「……――あたしね、キスしちゃったの」 「キス?杏ってば、何寝ぼけたこと言ってんのよ。彼氏のいないアンタが一体誰とキスしたっていうの?夢とか言わないでよね」 表情一つ変えずにモグモグとご飯を頬張る涼子。