去年だったら、及川先輩の後ろをキープしたまま走り続けただろう。 先輩と廊下ですれ違うだけでもドキドキして、嬉しくて、顔がにやけてしまったのに。 それなのに、今は先輩のことを見ても胸がときめかない。 先輩の写真を撮る為に、裏庭でスマホを構えていた少し前の自分は一体なんだったんだろう。 あたし……先輩のこと、どう思ってたんだろう。 憧れ……?それとも、好きだった? ううん、違う。 あたしが初めて恋をした相手は遥斗だ。 遊園地へ行ったあの日から、遥斗のあたしへの態度はそっけない。