ジリジリと後ずさりするあたしは、校舎の壁に追い込まれた。 トンッと背中が壁にぶつかり、絶対絶命のピンチ。 「俺、女に変態呼ばわりされたの初めてなんだけど」 背の高い彼は腕を組んであたしを見下ろす。 「ご、ごめんね!!ついつい」 「あれは、言葉の暴力ってやつだよね」 「本当にごめん!!もう言わないから許して?」 「しょうがないな。でも、ごめんで済んだら警察なんていらないよね?」 「そうだけど……」 「だよね。じゃあ、慰謝料もらうから」 い、慰謝料!?あれぐらいで慰謝料!?