「あー、何か今のヤバい。もう一回言って?」 「えっ?」 「俺がいてよかったって部分」 「な、なんで……?」 「いいから、早く」 「遥斗がいて……よかった……」 抱きしめられながらそう呟くと、暗闇の中で遥斗がクスっと笑ったように感じた。 「何か、杏の弱々しい姿みるともっといじめたくなるんだけど」 「……ハァ!?」 ドS丸出しの口調の遥斗。 あたしが慌てて遥斗の背中から腕を解いた瞬間、あたしの体は通路の壁にドンッと押し付けられた。