抱き合うあたし達の姿を見て脅かすことを諦めたのか、再び自分の持ち場へ帰って行ったお化け。 お化けがいなくなったと分かっていても恐怖が全身を支配して、呼吸が苦しくなる。 「そんな体震わせるほど怖い?」 「怖い。本当に怖いの……遥斗がいてよかったよぉ……」 ポロリと口から零れ落ちた言葉は本心だった。 遥斗がいなかったら、あたしはその場に腰を抜かして歩くことはできなかっただろう。 でも、遥斗がいたからここまで来られた。