「なあ、玲織奈。 知ってる?」 「……何?」 「黒って全てを塗り潰してしまうけど、でもな?」 散々泣いた後の玲織奈の髪の毛を優しく梳くと、俺は続ける。 「……白を混ぜると、灰色になって、とってもゆっくりだけど白くなっていくんだよ?」 笑うことのなかった、玲織奈が。 ―――――――――そうやって綺麗な笑みを零す様に、ね。 【完結】