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一夜開けたはずなのに。


どきどきが全然消えなくて。


顔を思い出すだけで、


声を思い出すだけで、


好きがどんどん大きくなってる気が……




「おーい、菜美?一緒に行かない?」



「も、も、もちろんっ!」




とてもとてもします。


なんか、今日はいつもより暑い…。



「なんか……あったのかー?」


ひょっこりと覗いてくる大狼君。


なぜか、1人で歩いている私に話しかけてきてくれた。


なんか、嬉しい…。



「えっ、なっ、何がっ?!」


「すごく嬉しそうじゃん?」



ニコッと笑った時、ドキッてする。



「そんなことないよっ!」



ああ、すごく幸せ。


笑みがこぼれまくってる気が……っ



「菜美ちゃんは恋する乙女だもんねっ?」



私達の間に、ずいっと割り込んできたのは


「ぎゃあああああああ!!」


き、木戸先輩…?!


「2人で仲良く登校?俺も誘ってよー?」


「だっ、だ、誰が誘いますかっ!」


「恋…?え、菜美って好きな人いんの?!」


びっくりした表情で私を見てくる。


はぁっ?!



「いるんだなぁー、それが!」


「えっ、だ、誰?!」



なぜか、興味津々に聞こうとしてる。


絶対にダメ……!!



「それはねぇー……っ」



……木戸先輩めぇ…っ…!


「木戸先輩、言ったら正体バラしますからね?!」


「す、すいませんでした!」


「ね、菜美っ、誰?応援するけど…?!」



「これだけは絶対に言わないから!」




絶対に………




これは自分の口で……