「こちらにいらっしゃい。気分が悪いのなら隣の部屋で、少し休んでいるといいから」 ベール越しにルビーを覗き込んでくるまなざしを、ルビーは暗い淵のように感じた。 ルビーは貴婦人に手をひかれるまま、ふらふらと立ちあがった。