いつも私の傍に~Always my side~

頭が真っ白になった。

何も変わらない日常なのに、彼だけがいない。

いつも私の傍にいてくれた彼だけが。

隆(りゅう)が交通事故で亡くなってから一週間が経った今も、私はその現実を受け入れられないでいる。


「おはよっ!」

親友の晴香(はるか)が気を遣って毎朝あいさつをしてくれるけど、それさえも疎ましく思ってしまうほどの私の拒絶反応。

思うだけで行動には移さない。

だから、

「…おはよ。」

一応返す。

「昨日はちゃんと眠れた?
しっかりご飯も食べた?」

「うん…ありがとう。」

「莉七(りな)、もともと細いのにこれ以上痩せたらダメだよ?
隣にいるあたしの立場が無くなっちゃう!」

「…ははっ、大丈夫だよ。」

何気ない会話だけでも私には辛い。

はやく教室に着かないかな、なんて。

そんなことばかり思っていた。