「んしょっ、結構重いなぁ」

ノートだけじゃなく、教科書も重なっているからかなりの重さだ。
歩く度にぐらぐらと揺れて危なっかしい。

正直まだ校内には人もまばらに居るが誰も手伝おうとはしない。
いくら私を好きだと言おうと助けてはくれないの。
みんな、自分がいじめなんかに会いたくないから……

いじめをされる人も馬鹿だと思っているけれどする方も馬鹿だと思っているのだろう。

荷担もしなければ助けもしない。

きっと……最も醜い……




ガッ!


誰かにぶつかり勢い良く倒れる身体。
ノートも無残に散らばってしまった。
唯一の救いは書類のようにばらばらじゃないことなのかな?

痛む身体を無理に動かしノートを集める。

すると、一緒に拾ってくれる手が……

「あ、ありがとうございます」

さらりと流れる金糸のような金髪……
真っ赤な鋭い瞳……

「玉藻にーちゃ?」