「……迷ったんでしょ?さぁ、僕が案内してあげるよ」

少年は少女に手を差し伸べはぐれないよう手をしっかりと繋いだ。

「……玉藻にーちゃのおててあったかい」

「そう?」

しばらく歩くうちに少女の可笑しな様子に少年は気付いた。
片足を引きずって歩いていたのだ。

「もしかして、足をくじいたの?」

「うん……」

「……僕の背中にお乗り」

少年は少女の前に片足を付き背中に乗るよう催促をした。

「で、でもきっと重いよ……玉藻にーちゃ歩けなくなる」

「大丈夫だから早くお乗り、僕はそこまで柔ではないのだから」

少女はおずおずと少年の背に乗った。

「重かったらいってね?ぜったいだよ?」

「大丈夫、このくらい軽いよ」

少年は言葉通り少女を軽く持ち上げ歩くのであった。