璃桜side

彼から聞いた話は想像も絶するものだった。

確かに、うちの学校の制服を着ていることに驚いて細かい所までちゃんと見ていなかったが頬や手に小さな傷が沢山あった。

私なんかの為にこんなことまでしてくれていたなんて……。

「今ならば、その紋章を消すことが可能だよ」

「……ううん、消さなくて良いよ。
だって私は玉藻兄さんのこと好きだもの」

そう、私は玉藻兄さんが好きだ。
あの頃はこのふわふわとした感情が分からなかった。
でも、月日が経ちいつしかこの感情の名前が分かった。







この感情は
恋なんだって