関西の地、 一人暮らしを始める旅立ちの日。


二年間は何が何でも帰ってくるなと喝を入れた父。







神戸入港の折り 大阪を訪れ、別れ際にしみじみと語った。



生きた証をのこせ

幸せの種を蒔け

幸せの花を咲かせよ



短い、汽車の待ち時間。
伝えられた父の思い。


今、遺されて初めてわかる気がする。



今まで、今、そして未来に遺すもの…!


自分自身の幸せの種を蒔き続けること。

見ること叶わぬ幸せの花を、

今まで出会い、関わった人に
これから、出会い関わる人に咲かせてもらうこと。



生きて この世に
どれほどの人と出会い、どれだけの人と関わり、
どれだけ、たくさんの幸せの種を蒔くことができるのか。

どれだけ、幸せの花を咲かせてもらうことができるのか。





「花は開いて果となり、月は出でて必ず満ち、

燈は油をさせば光を増し
草木は雨降れば栄う。

人は善根をなせば必ず栄う」

(上野殿御返事
『正月三日御書』1562頁)


父を思い出しながら父に教えられた御書の一節を思い出した。


そして、出会った方々から自分に蒔いて頂いた幸せの花の種を

自分自身の中で、しっかり水をやり肥やしを与え育て

自分自身の幸せの花の種も咲かせたいと思った。