そのあと、絵理子さんに部屋まで連れていってもらう

「…部屋は、ここを使って」
「あ……ありがとうございます」

そう言いながら絵理子さんを見ると、そっと抱き締められる

「………本当に…良かった………」

絵理子さんは泣きそうな声でそう呟いた

困惑しながらそのまま大人しくしてると絵理子さんはもう一度、ぎゅっと力をいれた後に体を離し、微笑む

「…雪夜くんは…とても優しい人よ…きっと幸せになれるわ。あの雪夜くんがあなたの為に全てを捨てようとした。きっと雪夜くんにとって貴方は本当に大事な存在なのね」
「………絵理子さん」
「大丈夫よ。私も信も雪夜くんも、あなたのお友だちも…皆、辛いときは助けてくれる…だから、頼ってね」

私はその言葉に胸が熱くなるのを感じた

泣きそうになるのをこらえてもう一度頭を深く下げる

「……本当に、ありがとうございます」

ここはとても、暖かい場所だ。

私は一人じゃないんだ、と
そう思えた