雪夜side


『……なんで、必死にならないんですか』


昼間、吉宮から言われた言葉が頭をぐるぐると回る

あの吉宮と会った3限目の後、保健室に行こうとしたら
保健室から出てくる凪を見つけた

思わず立ち止まった俺に気づいているはずなのに凪はうつ向いたまま、俺の横を通りすぎてった

文化祭の時と、同じだ

俺を見ないように歩いて通りすぎようとする

それだけで、こんなにも弱気になってる自分に笑えてくる

「悪い、待たせたな」

そんな事を考えて飲んでいる俺のもとに
信の声が届く

顔をあげれば少し真剣な顔をした信が立っていた