「そういう…ことか…」
「晴夏……?」

凪が首をかしげて俺を不安そうに見る
俺は凪の目の前に行くと、肩をつかむ

「…いいか?……たぶん、お前の父親はお前を母親と…重ねてる」
「…………」
「はぁ?!」

凜が大きな声をだして俺を見つめてるが
凪の表情はやっぱり、という顔をしていた

「……さっき…凪と凜がいなくなったあと凪のお父さんが、そうか、千代子はいなかったのかって呟いてた…」
「っ!」

凪がうつむきがちだった顔をあげる
そして動揺したまま口を開いた

「…初めは……お母さんのこと思い出してるだけだと思ってた…でも、二番目の奥さんも抱けなかったって聞いて怖くなった…」
「……怖い?」
「…だって、もしお母さんを重ねて抱いてるだけだったなら……いつも行為のあとお母さんに謝ってる事になる…」

凪は膝においている手に力を込めた