先生の手が触れる時


晴夏side


『………なんでいるの?』


凪は、さっき凪にお父さんと呼ばれた人にそう声をかけた

その声は俺が聞いてきたあいつの声ではなかった
冷めきった、それでいてどこか怯えたような声

凜の家に住んでるのは何か事情があるのだとは思っていた

理由は特に聞いてなかったが、何となく凜の表情や凪と父親の雰囲気で
この父親がなにかしら絡んでることは容易に想像できた

俺は黙ってその様子を眺めていた

すると凪の父親は人が良さそうな笑顔を浮かべ凪に近づく

凪の体がびくり、と動いた