どれぐらい泣いたのだろうか?

私はしゃがみ込むのを止め、立ち上がった。




そういえば、誰もいない図書室は久しぶり。

授業をサボってしまったけど、面白そうな本でも探そうかな?



ふと立ち寄った本棚。

そこはいつも、桐野くんが顔を出していた本棚。



ふと空いたスペースを見つけた。

そこには、バラバラに置かれた本が数冊。



これ、

桐野くんがこの間置きっぱなしにした本だ。

そのままだったんだ…。



私は本を手に取った。

桐野くんが隠していた本。

それが何だか知りたかったのだ。




「…え?」




数冊の本は、全て共通したジャンルだった。





『高校演劇のための台本』

『演劇が上手くなる方法』

『発声練習の仕方』




全て…

演劇にまつわる本ばかり…。