「俺は、ユメの友達だから。
友達が悩んでいるのは、やっぱり見捨てておけない」
「友達…」
「俺は、ユメの思いに答えられないけど…。
ユメの友達でいたいから…。
…ユメには、笑顔でいてほしいんだ」
「桐野くん…」
「勿論、ユメが話したくないのなら、聞かない。
でもユメが話したいと思うのなら、聞かせて。
…俺がユメの力になりたい」
その瞬間。
私の涙腺が崩壊した。
涙はドンドン溢れ、止まることを知らない。
苦しくって、何も言えない。
でも桐野くんは笑顔で私を見守り、手を握ってくれる。
その優しさが…凄く嬉しくて。
「桐野くん…あのね?」
「うん」
「私…マドカ…怖いの…」
「うん」
「束縛が、凄く激しいの…。
最近は、3時間しか、寝れていないの」
「…うん」
「その上、図書室は汚いって言うの。
私の好きな場所…全力で否定されたの…。
それが凄く…嫌で嫌で……」
「…うん」
「最初はね、妹思いの優しい人だったんだよ?
でも…付き合うと…怖い……」
「別れないの?」
「別れたら…何されるか、わからない……」
私はひたすら泣いた。


