やめたかった、と言いながらも。

私は毎日図書室へ通っていた。

本を借りるだけではない。

…桐野くんに会うため。



例え桐野くんに失恋しても。

桐野くんとは今でも友達だと、信じていたかったから。





でもアレ以来。

桐野くんに会うことはなくなった。



図書室へ行けば、毎日会えたのに。

桐野くんが顔を見せることはなくなった。



桐野くんがいつも入ったとき顔を見せる本棚を探しても、誰もいない。

名前を呼んでも、誰も返事しない。




そんな空しく、寂しい気持ちが嫌になって。

私も最近は図書室へ通わなくなった。



図書室へ通わなくなり、私は毎日の放課後、舞耶たちと出掛けることが多くなった。

舞耶たちは3人とも部活へははいっていなくて、用事がない時以外は、3人で出掛けると言うので、私も誘ってもらった。



桐野くんに会えなくなったのは寂しいけど。

舞耶たちと遊ぶのも楽しいと思い始めている自分がいた。