「…恋だね」
「恋ね」
「恋だぁ~!」
3人に相談し、3人とも同じ答えを返すって…。
「コイ!?」
「コイって…。
その発音だと、魚の鯉になるよ」
「恋って…。
どういうことよ舞耶!」
「あたしの予想だけどね。
多分寂しかったんじゃない、夢子は」
「寂しかった…?」
「桐野くんに、本を隠されたことが」
「それだけで…寂しかった……?」
「夢子は信じていたはずだよ。
桐野くんは自分に隠し事はしないって。
でも、桐野くんは本を隠した…。
寂しさを感じた夢子は、思わず冷たいことを言ったってわけよ」
さ、さすが恋多き乙女・舞耶!
彼氏はいないけど、恋愛経験は彼氏のいる香枝より豊富だってミナが言っていたけど、本当だったんだ!
「わたしも彼氏に隠し事されると、寂しさを感じるわね」
「香枝が…?」
「ええ。
わたしと彼氏の間に隠し事はナシですもの。
それなのに…って、嫉妬に似た感情を抱きますわね」
そうなんだ…。