「ユメの小説、今の俺たちみたいだね」



確かに。

主人公由奈は、目立たなくて友達が少ない。

ある時図書室で、人気者の大貴くんと会って、恋に落ちると言う恋愛小説だ。




「由奈は最初、ユメと同じ性格だったね」

「桐野くんと大貴は、名前が一緒だね」

「そうだね。
俺あんまり友達いないしね」



そうなんだ。

なんか意外。

男女関係なく囲まれているイメージがあるけど。



人って見かけによらないのかな…?




「あ、でも。
ユメと舞耶ちゃん、水奈子ちゃん、香枝ちゃんは別。
ユメたちは友達だよ?」

「マドカは?」

「アイツ?
アイツは…何だろうな?」




アハハッと彼は笑う。

つられて私も笑った。






「そうだ。
俺、今日家で用事があったんだ!
ちょっと今日は帰るね!」