「え……」 上から聞こえたのは、驚くほど冷ややかな、お兄ちゃんの声。 「お兄ちゃん……?」 「……ごめん。俺、ちょっと行ってくる」 お兄ちゃんは、いつもの笑顔で言って、部屋を出ていった。 どこに行くのか、全く告げずに。 その次の日。 私は学校で、明良が死んだことを知った。