「で?相談って?」
ファミレスで注文がくるのを待ちながら 向かい合って座る。
千歳の表情は不安そうでいつも明るい千歳からは考えられないほど暗かった。
それを見ていて、よっぽど深刻な悩みなんだろうなぁ、と心配になってきた。
「う、うん。あのね、私……、好きな人が出来たの」
「え!?良かったじゃん!!」
普段から“男なんて興味ない”と言って恋愛に全く興味を示さなかった千歳に好きな人が出来たと聞いて、ただただ純粋に嬉しかった。
「……、でもね…、その人、私のこと好きじゃないの……」
「え…」
それでそんなに泣きそうなのか…。
こうなったら親友の私が一肌脱ぐしかない!
「よし!私に任せて!」
「ほ、ほんと?」
「この萌様にどーんと任せなさい!」
ああ、なんで私はこんなこと言っちゃったんだろう…。
不敵に笑う顔に気付きもしないで。
不穏な影は直ぐそこまで迫ってきていた。