「おはよう~」
「あ!おはよ!」
クラスメートもいい人ばかりで。
「ねぇ、あのTV見た~?」
「あ!見た見た!おもしろかったよね」
他愛もない話をして
しょうもないことで盛り上がって。
くだらない話題で笑って。
そんなどーでもいいことで笑い合える関係が一番大切だったんだと気づいたのはもう手遅れになったとき。
「おはよ、萌」
愛しい声に振り向けば、優しい微笑みを浮かべた私の大好きな彼がいた。
「おはよ、さとし」
さとしの微笑みに応じて私もにっこりと微笑めば、一部始終を見ていたクラスメート達が一斉に冷やかしや野次を飛ばす。
「ヒューヒュー」
「朝から熱いですなぁ」
「ラッブラブゥ~」
「ほんと二人ってお似合いだよね」
「キスしろよ!!」
そんな言葉に二人とも林檎顔負けの真っ赤な顔で顔を見合せ、照れたようにクスクス笑う姿は幸せそのもので。
「………許さないから………」
その光景を影で睨み付けてくる視線に気付くはずもなかった。