「こことここなんだけどぉ~」
そう言いながら千歳はさとしの隣からノートを覗き込む。
ちょうどさとしから谷間が見える角度だ。
「ん?ここはこうして…、ここはこうすると…」
それでも動じないさとしはさすがとしか言えないだろう。
「あ!分かったぁ!」
「でしょ?」
「ありがとう!さとしくん!」
「どういたしまして」
……なに、これ。
さすがに目の前で恋人と親友が中睦まじく密着しているのを見せつけられると堪えるんだけど、
………こんなの、いや。
「ねぇ!私も混ぜてよ!」
「え?でもぉ~、今、私だからぁ~、萌は後でね♪」
申し訳ない顔をしながら千歳に教えるのを続行するさとし。
対して私は一人だけ除外されたような気がした。
気じゃなくて千歳にとってはそうだったんだろうけど。
「………なによ、それ」
私が呟いた言葉に一瞬さとしがこっちを向いた気がしたけど、今の私はそれどころじゃない。
………許さない。
千歳のくせに……私の彼氏を取ろうなんていい度胸じゃない。
思い知らせてあげるわ……私を怒らせるとどうなるかを……。


