「それでそんなに落ち込んでいるわけですか」
「…仕方ないですよ。みんなに誤解させちゃったのは私だし」
『ruler』のカウンターでホットココアを飲みながら『デスイーター』に愚痴る。
「…死にたい…」
「………………」
「彼氏にはフラれて無二の親友には愛想尽かされ…」
「…………」
「仲のいい子はみんな離れていっちゃったし……、それどころか私、いじめられてるんです…」
カミングアウトした。
「どうぞ」
とテーブルに出されたのは、
「…わぁ!ホットケーキだぁ…!」
できたてのホットケーキ。
美味しそう…!
さっきまでの落ち込んでいた気分はどこえやら、今ではすっかり頭の中ホットケーキで埋め尽くされていた。
自分でも単純だと思う。
「美味しい~~!!」
やばい、なにこれ!
綺麗な黄金色のケーキはふかふかで上にホイップクリームがたっぷり乗ってある。
その上に色とりどりのフルーツが盛り付けられており、メープルとバターはお好み。
ホットケーキは5段になってて、一段一段違う味が味わえるようになっている。
もう、ほんと旨い!
「毎日来ます!」
私のきらきらした眼差しに『デスイーター』は静かに微笑んだだけだった。


