「そうですか…。では、その親友は犯人ではなかったということですか?」
……犯人なんて。
「……まぁ、そうですけど」
ここは例の店。
『ruler』
ラテン語で『闇』という意味。
……さっき知ったんだけど。
本当に思い浮かべただけで足が勝手に店の方向へと向かっていた。
「それにしても不思議ですね」
「なにがですか?」
「足が勝手に動いたんです」
『デスイーター』は微笑んだだけでなにも言わない。
「……それは、あなたの思いが強かったからですよ」
「え?」
「いえ、なんでもありません」
相変わらずここには一人も客がいない。
「……あのぅ~、つかぬことをお伺いしますが……」
「はい、なんですか?」
「ここの従業員って……」
「私一人ですが?」
「え!?」
……凄い…。
「……あの、こちらからも一つ御願いがあるんですが…」
御願い?
「な、なんですか?」
「ここのことは他言無用で御願いします」
「え?なんでですか?」
「この場所には、限られた者しか来ることが許されないんです。もしもあなたが誰かに教えたりしてしまったあかつきにはもう二度とあなたはここに来ることは出来なくなります」
「……え?」
てことは…、私は限られた者の一人ってこと!?
「…わ、かり…ました…」
「ありがとうございます」
『デスイーター』は深々とお辞儀し、にっこりと微笑んだのだった‐‐‐‐‐‐‐‐‐。


