「ありがとうございました」
「いえ、いつでもいらしてください」
「あ、あの…、来たいのはやまやまなんですけど…、道に迷ったから辿り着いたっていうか…ここに来る道のり知らないんで…」
歯切れの悪い私にキョトンとしてたけど、内容が分かったのか『デスイーター』はフッと微笑み、
「ああ、心配は要りません。あなたがもう一度来たいとこの店を思い浮かべれば、自然と道が開けるはずです」
「あの…、どういうことですか?」
「そのままの意味です」
もうそれ以上は言わない。
諦めて帰ろうとしたら、大事なことに気が付いた。
「そういえば私、帰り道わかんない…」
「それも大丈夫です。あなたの自宅を思い浮かべてそのまま真っ直ぐ進めば辿り着きますから」
私は『デスイーター』の助言通りにいえを思い浮かべて真っ直ぐ進んだ
「あれ?」
気付けば、私の見知った家近くの大通りだった。
…ここからなら帰れる。
後ろを振り向けば、当然だけど例の店はなかった。
………あ、肝心な店の名前、聞くの忘れた……。


