確執はいつからできてしまったのだろう。
事の始まりは翌日からだった。
ガラッ
ザワザワザワ
「おはよう♪」
シーン
いつもならすぐに返ってくる返事。
それなのに…。
「あれ?みんな?」
今日はいつも交わしてるはずの挨拶が誰からも返ってくることはなかった。
それどころか、みんな私に冷たい白い目を向けてくる。
ひそひそと私を指差し、なにか言ったり。
あからさまに敵意を向けてくる人もいた。
…みんな、どうしたんだろ…?
みんなの態度の変化に戸惑ってると。
ガラッ
さとしが登校してきた。
「あ、さとし、おはよ…」
いくらなんでもさとしまで無視しないだろう、という私の思いはあっけなく崩れ去る。
「……………」
スッ
………え?
さとしは数秒困ったように私を見た後、なにも言わず目を逸らした。
「……さ、と、し……?」
そのままさとしは私の横を素通りし、自分の席に座った。
すぐに千歳がさとしの席に近づく。
さとしと千歳は中睦まじく楽しそうに笑ってる。
私はそれを茫然と見ていることしかできなかった。


