上条はパラパラと薄い紙をめくっていく。
そして納得したように声をあげた。
「あぁ、グラフが違うのか」
「え?」
「他の社員に作成させた物と比べて、
何か違うと思ったんだ。
前年の比較データのグラフが違うから、
レイアウトが変わってるんだ。
……これは?」
「あ……あの、本当はテンプレートを使いなさいって
言われたんですけど、
こっちの方が比較しやすいかと思って、
勝手に変えてしまいました」
更に怒られる、と思って透子はぎゅっと手を握り、
身構えた。
……しかし返ってきたのは、
予想外の賛辞だった。
「これはいいな。
次からこっちを雛形に入れておこう」
「え……」
上条は満足気に資料を机に置いた。
「どうせ木本は押し付けるだけで、
ほとんど大事なことは教えてなかったんだろう?
独学で、よくここまでやれたな」
「あ」
自然と肩の力が抜ける。
どうやらそこまで怒っていない、
……みたいだ。
「ありがとうございます」
透子がほっと表情を緩めると、
上条はきっ、と眉をつりあげた。

