そして迎えたクリスマスイブ。

複雑な気持ちで、私は電車に揺られていた。


結局、返事は出せなかった。

あの日感じた無力感が、あまりにも大きくて。

私なんて、春次郎さんのどんな存在にもなれないと、強く感じてしまったから。



毎月通うことになるなんて、思わなかったな。


私は駅に立って、そう思う。



春次郎さんが来てもいいって言わなかったら、私は来なかったのだろうか。

ううん、そんなことはないだろう。

きっと、ジャズ・バーに問い合わせてでも、ひっそりとライブに参加しただろう。

彼と話ができなくても。

距離が遠くても。

その姿と、音色と、声に会いに、私は来ないではいられないだろう―――



「春次郎さん……。」



叶わない恋。

だけど、やっぱり簡単には捨てることのできない恋……。


結局私は、いつもの席に座って。

弱いアルコールを注文するのだった。