あいつの言ってた友達って、 多分みやびさんのことなんだろう。 わたしが高校生から働いてることは 直接じゃなくても神崎さんから知り、 弱みを握られたんだ。 「…やば、歩けない…」 ここから結構家まで距離がある。 店にまだ人がいたとしても 絶対こんな格好で行きたくない。 冬の初めの明け方。 寒さよりも痛みの方が完全に上だった。 やっとの思いで通りを抜けようとしたときらへんで わたしの記憶はまた途絶えていた。