悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

金髪の先輩は、自分のグラスを取るとドカッとソファーに背中を預け、再びあたし達に話し掛ける。


「しかしびっくりだなー。ひよりちゃん達、カラオケも初めてなんて」

「はい、まぁ……」

「授業もサボったことなんてないでしょ? 皆先生の話マジメに聞いてそうだし」


サボりはしないけど、授業を受けたくなくて、先生の3分で終わる小話を50分引き延ばしたりはする。

虫が教室に入った時は授業中断させるし、そのあたりの団結力はハンパじゃない。


「葉藍の子と遊んだって話はあんまりダチから聞かないから、恋愛禁止なのかと思ってたよ」

「まさか。ちゃんと恋の話もしますよ」


それどころか、男子も引くくらいの下ネタのオンパレードだったりする。

皆男子と関わらない分、雑誌や漫画で知識だけは十分蓄えているのだ。


「でも、オトコのことは何も知らないでしょ? 色々教えてあげたくなるんだけど」


おい、このエロ猿! 目がいやらしいよ目が!

歌ってるリカと縮こまってる亜美の代わりにあたしが相手してやってるけど、さすがにもう嫌だ。