悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

俯いて顔を隠そうとすると、頭の上にぽんっと優しい重みを感じた。

目線を上げると、あたしの頭に手を置いた柳が微笑んでいる。


「すっげー嬉しい! ありがとな、ひより」

「わ!」


わしゃわしゃと頭を撫でる柳は、本当に嬉しそうに無邪気に笑っていて。

髪を乱されても、あたしは怒る気にもならず、一緒に笑ってしまった。


すると、誰かがドアをノックする音が聞こえ、あたし達は一斉にそちらを向く。


「やべ、お前隠れろ」

「え、ちょっ!?」


突然柳に手を引かれ、長机の下へ押し込まれる。

それと同時にドアが開いて、誰かが中へ入ってくる気配がした。


「どう? 調子は」

「なんだ……先輩か。顧問かと思った」

「なんだって何だよ」


どうやら軽音部の先輩が来たらしく、柳がほっとした声を出す。

そうだよね、あたしがいるってバレたら厄介だもんね。忘れてたよ。


でも演奏中に誰か来たらどうするつもりだったんだろう。

そのへんがほんと浅はかだな~……まぁ、ボケボケの柳らしいけど。