悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

個性豊かな、ユアフールという名のバンドメンバー達。

まったくタイプの違う4人だけど、仲が良さそうなのは見ていてわかった。

こんな男子ばかりの中に女子一人でいるのはものすごく場違いな気がするけど、本当にあたしがいていいんだろうか……。


そんなあたしの心配をよそに、暖まったらしい柳は上着を脱ぎ、「よし、やるかー」とのんびり言いながらギターを手に取る。

相模くんもベースを肩に掛け、サブさん(一応こう呼んでおく)もドラムセットの中心に座った。


これから初めて生で聞くバンドの演奏が始まると思うと、急に緊張して鼓動が速くなる。

あたしを観客席代わりの椅子に座るように促してくれた涼平くんは、にこりと可愛い笑顔を見せてこう言った。


「変に気負わないでラクに聞いててね。ひよりちゃんのことは柳からよく聞いてるし、俺達はもうマブダチのつもりでいるから」

「え……」


柳から聞いてる? ってどんなことを?

いったい何を吹き込んでいるのか気になって柳を見るも、わかるはずもなく。

あたしの肩をぽんと叩いて、仮のステージに向かう涼平くんをただ見送った。