悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

再び礼拝のポーズをして飛び上がりそうな勢いのリカに突然振られて、あたしと亜美は目が点になった。

この感じ……まさか、またあたし達も道連れにするつもり!?


“一緒に行って。お願い”と目で訴えてくるリカに苦笑していると、ドアベルの音が鳴った。

やってきたお客さんに挨拶をして立ち上がった柳は、あたしの頭にぽんっと手を置く。


「じゃ、年内はやらないからまた来月、来れる日あったらこいつに言っといて。お前、後で番号教えろよ」

「えぇ……!?」


振り仰ぐあたしを、柳は“何か文句あるか”とでも言いたげな顔で見下ろした。

そして彼が接客に戻ると、頬杖をついたリカが少し不満そうにあたしを見る。


「いいなぁ、ひよりは簡単に番号交換出来ちゃって」

「……なに、リカはもう柳のことが気に入ったの?」

「うん! なんか、今までの理想をくつがえされたっていうか……。こういうのを一目惚れって言うのかしら~」


んふふ♪と笑う彼女は、もう目がハートになっている。

まじですか、リカが柳を……。

何とも言えない気持ちになっているあたしと、同じ心境だろう苦笑いを浮かべている亜美を見据えて、リカが言う。