悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

「これ見て来たの」

「あぁそれか。マスターが気まぐれで作ったわりには効果あったな」


あたし達にお水を差し出しながら小さく笑う柳。

どうやらマスターと呼ばれるここの店長さんと、彼は仲が良いらしい。


手書きのメニューを見て、あたし達はそれぞれケーキセットを頼んだ。

柳がいるせいもあるけど、慣れてくると落ち着いた空間がとっても居心地いい。


注文を受けてから一杯ずつ豆を挽いて淹れているというコーヒーも、手作りのケーキも文句なく美味しくて感激!

舌が肥えてるリカも満足したみたいだし。

知る人ぞ知る隠れた名店という感じで、あたし達はすっかり“スロース”を気に入っていた。


ケーキセットをお供にガールズトークをしている間、柳は注文されたものを運んだり、テーブルを片付けたり、もちろん働いているのだけど。

手が空くと常連客らしいおじさんと話したり、雑誌をめくったりしている。

今も、あたし達のテーブルの近くのカウンター席に腰を下ろしているし。

なんていうか……自由過ぎる。