悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

「うわ、まさかひよりが来るとは」

「アンタ……もしかしなくてもここでバイトしてんの!?」

「正解ー」


うそ……まさか、柳のバイト先だったなんて!!

あんぐりと口を開けて固まるあたしの後ろから、亜美とリカもひょこっと顔を覗かせる。


「柳くん……!?」

「おー藤沢? 久しぶり」


口元に手をあてて驚いている亜美に、柳が軽く手を上げた。


「ほんと、久しぶりだね……」

「元気そうでよかったよ」


柔らかく微笑む柳に、はにかむ亜美。

……うん? なんか二人の雰囲気がほのかに甘く感じるのは気のせい?

柳は明らかにあたしに対する態度とは違う。

こんなに優しい空気を漂わせることなんてないもん。


この間と同じ、胸にチクチクと針が刺さるような痛さと、モヤモヤを感じていると。


「柳くんって、この間言ってた大崎柳くん!?」


輝きを増したリカの声が、あたしの少しの不快感を消し去った。

瞳もキラキラ輝かせて、礼拝する時のように両手を組んで柳を見つめている。


「私、西園寺リカと申します。二人から大崎くんのことを聞いて、一度お会いしたかったんです~!」