悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

え、なんで? なんで突然バカ呼ばわりされなきゃいけないわけ!?


「バカとは何よ!」

『家庭教師って、部屋に二人きりになるじゃねーか』

「それが何? 当たり前でしょ」

『危機感持てっつーんだよ。いくら優しくても秋史だって男なんだぞ? お前はアイツのお気に入りなんだし』


カチリ、と固まるあたし。

まさか、柳は秋ちゃんがあたしに手を出すと思ってるの?

何でそんな思考になるのよー!


「何言ってんのヘンタイ! そんなことになるわけないじゃん!」

『どうだか。うまいこと言われてほいほいラブホ連れていかれちまうくらい、ひよこは男がわかってねーからな』


鼻で笑いながら皮肉を言われて、ぐっと言葉に詰まる。

それを言われるとイタイ。

あたしがよく知っている異性といえば柳だけだし、たしかに男の人の本質は何もわからない。

でも、秋ちゃんのことも信用しちゃいけないっていうの?


「……秋ちゃんはそんな人じゃないよ。何が良くて何がいけないかもわかってる、ちゃんとした人なの。変なこと想像してるような柳とは違うから!」