悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

秋史がひよりに抱いていたのは恋愛感情なのか、妹に対するようなただの愛情なのか、はっきりとはわからない。

でも、俺や藤沢を見るのとは違う、慈愛に満ちた目をして、大事なものを扱うように優しく手を取っていて。

そんな秋史にひよりはものすごく懐いていたし、実際『秋ちゃん好きー』なんて言っていた。


そのせいで、いつの間にか秋史はライバルだと、俺の頭には植え付けられてしまっているのだ。


「ねぇ、何で柳はそんなに秋ちゃんに対して冷たいの?」


不満げに疑問を投げ掛けるひよりと目を合わさず、ギターのストラップを肩に掛けながら答える。


「ああいう、いかにも優等生って感じで、いいカオばっかしてるのが気にくわないんだよ」

「相模くんはいいのに?」

「コイツは優等生だけど腹ん中は結構黒いんだぜ」

「えっ」


ひよりがギョッとして相模を見ると、「誤解を招くようなこと言わないでくれる?」と、彼は迷惑そうに苦笑していた。

相模が本当に腹黒かどうかは言明しないでおこう。


秋史のことは別に嫌いじゃない。

ただ、ひよりがアイツに好意を持っていることが気に入らないだけだ。