無造作に散らされたくせ毛の栗色の髪は、やる気がなさそうなのになぜかキマっていて。
顎のラインはすっきりして、あたしと大差なかった身長だって、今では見上げるほど。
深山さんを見据えるアーモンド型の瞳は、少し色素が薄い茶色で、悔しいけど魅力的だ。
小さい頃から可愛い顔立ちをしていた柳。性格はともかく、外見は女の子みたいだった。
小学校を卒業してからほとんど会っていなかったから、あたしの中の柳のイメージは、その頃のまま止まっていたんだ。
だけど。高校生になった彼は、もうれっきとした“男”になっていて。
──本当に不本意だけど、あまりのカッコ良さにドキッとしてしまった。
そんな柳は、『こいつのバージンを奪う権利、あんたにはない』なんて言い放った後、あたしをチラリと見下ろしてさらに一言。
「昔から、お前のモノ奪っていいのは俺だけだもんな」
「何でよ!!」
当然のごとく言う柳に、あたしはすかさずつっこむ。
「奪っていいなんて許可した覚えはない!」
「あ、ていうか、ひよこに意地悪するのが俺だけだったのか」
「“ひよこ”って呼ぶな!」
顎のラインはすっきりして、あたしと大差なかった身長だって、今では見上げるほど。
深山さんを見据えるアーモンド型の瞳は、少し色素が薄い茶色で、悔しいけど魅力的だ。
小さい頃から可愛い顔立ちをしていた柳。性格はともかく、外見は女の子みたいだった。
小学校を卒業してからほとんど会っていなかったから、あたしの中の柳のイメージは、その頃のまま止まっていたんだ。
だけど。高校生になった彼は、もうれっきとした“男”になっていて。
──本当に不本意だけど、あまりのカッコ良さにドキッとしてしまった。
そんな柳は、『こいつのバージンを奪う権利、あんたにはない』なんて言い放った後、あたしをチラリと見下ろしてさらに一言。
「昔から、お前のモノ奪っていいのは俺だけだもんな」
「何でよ!!」
当然のごとく言う柳に、あたしはすかさずつっこむ。
「奪っていいなんて許可した覚えはない!」
「あ、ていうか、ひよこに意地悪するのが俺だけだったのか」
「“ひよこ”って呼ぶな!」



