悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

ぽかんとしているあたしの向かい側、同じ顔をした亜美の隣に、リカはランチが乗ったトレーを置いた。


「……ここ、いい?」

「あ、ど、どうぞ……」


ぎこちなく頷くあたし達を確認して、リカは席についた。


「珍しいじゃない、学食にいるなんて。あなた達にもランチを頼む余裕が出来たのね」

「……おかげさまで」


いつものリカ節に、口の端をピクピクさせながら答えるあたし。

何しに来たんだろう……もしやまたお怒りを買っちゃった?

賑やかな食堂の中、あたし達だけがしばし無言でスプーンやフォークを動かしていた。すると。


「……今まで、ごめんなさい」


突然発せられた小さな声に反応して、あたしと亜美は目線をリカへ移す。

彼女はパスタに目を落としたまま、ぽつりぽつりと話し始めた。


「最初は、大崎くんがひよりと仲良くしてることが、ただ悔しかったの。そのうち私の仲間がもっとひどいことをし始めて、さすがにやり過ぎだと思ったけど、止めることが出来なかった。

でもひよりはめげないし、亜美も自分がターゲットにされても、ひよりを恨んだりしないし……。そんなあなた達を、どこか羨ましく想ってたのかもしれない」